大塚芽衣ブログVol.21【【コンクールの裏側】プリンシパル11月号掲載記事抜粋】
来月、コンクール挑戦の生徒が何名かいることもあり、
プリンシパルデザイナーの大塚さまにコンクール情報を掲載頂きました。
元バレエダンサーならでわの目線で経験した貴重な記事だったのでこちらへ掲載します。
詳細は、11月、12月号のプリンシパルでもチェック可能(生徒限定)
ーーー
皆様お久しぶりです!
今回は、またスタジオからコンクールに挑戦する子が出るという事で、
コンクールについて特集させていただきます。
以前も一度取り上げた事がありますが、今回はまた違った視点でお送りしていきます。
◆なんでバレエはオリンピックの種目にならないの?
コンクールの前に、混同されがちなクラシックバレエとフィギュアスケートの違いを見てみましょう。
バレエは、フィギュアスケートなどと違いスポーツという分野ではなく、芸術という分野として種類分けされています。
フィギュアスケートには、この構成でこのジャンプをこのような形で成功させると何点、というように、
ある程度の基準を設けて、演技の善し悪しを明確化しています。
けれど、クラシックバレエは「芸術」であり、「競い合う物ではない」というのが大前提としてあるため、
基本的にはそもそも点数をつけるものではない、というのが世間的な認識です。
「スポーツ」であるか、「芸術」であるか、というのが大きな違いです。
フィギュアスケートはスケートの一種であり、フィギュアスケートの発祥は、氷の上にエッジで図形を描き、
その図形をどれだけ正確にトレースできるか、というのを競い合うスポーツでした。
それが発展して、今のフィギュアスケートの形となったのです。
けれど、バレエは発祥から競い合う物ではなく、イタリアの王宮から生まれたものですから、
「芸術」という分け方がされています。
◆バレエのコンクールは何のために行うの?
芸術であるバレエであえて優劣をつけるコンクールは、バレエ好きの人の中には否定的な人もいるでしょう。
あえて簡潔に告げるなら、
「その人がどれだけ踊れるか一目で分かる基準になるから」
というのが、一番簡潔で分かりやすい答えだと思います。
ダンサーの登竜門であるローザンヌで金賞を取れば、箔がつく。
箔がつけば、そのダンサーを見たいと思うお客様は増えるし、多くのライバル達に勝ち抜いた精神力、実力も兼ね備えている、
とバレエ団の偉い人は考えます。
芸術の世界はよくも悪くも「実力主義」です。
その実力を分かりやすく示すためのコンクールだとも言えます。
もっと身近な例えだと、進学や就職の際に誰にでも分かりやすく
「バレエに打ち込んできて、●●というコンクールで優勝したこともあります」
と履歴書や内申書に書ける。という感じです。
◆どんな人がコンクールに出ているの?
前述で、履歴書や内申書に書ける、という書き方をしましたが、
コンクールに出るということは、それなりの覚悟を決めなければなりません。
親御さんでしたら、たくさんの時間とお金。
踊る本人だったら、厳しいレッスンと長い時間をバレエに割くための覚悟です。
そして、コンクールに出ている子というのは大多数が、真剣にバレエに打ち込み、
将来バレエの道に進む事を視野にいれている子です。
◆コンクールは生半可な気持ちでは出られない
怖い言い方をするようですが、コンクールに出るにはそれなりの覚悟が必要です。
コンクールに出る、と決めた場合、生活が一変します。今までと同じようにレッスンをしていただけでは、
コンクールへの参加費も衣装代も、全てを無駄遣いしているようなものです。
コンクールへの出場が決まれば、
・レッスンは通常レッスンに加え、コンクールのための特別レッスンが必須。
受講しないという考えは無い。
・特別レッスンは通常レッスンとは別料金。
先生がその子1人のためだけのレッスンをしてくれるからです。言うなれば、全てオーダーメイドでのレッスンということです。・コンクールが遠方になれば、会場までの先生の交通費や宿泊費も出場者もしくは親御さんが支払う事になります。(お願いする立場なので、当然だとは思いますが)
◆コンクールはどんなことするの?
覚悟を決めて、コンクールに出よう!
でも、コンクールってどんなものを踊るの?どんな審査をするの?とっても気になりますよね。
おそらく全てのコンクールでは「課題曲」が決められており、
その課題曲の中から好きな曲を選んで踊ることになります。
【ポピュラーな課題曲(一部)】
・エスメラルダ ・ダイアナとアクティオン ・キトリ3幕 ・オーロラ1幕、3幕 ・海賊2幕メドーラ
これ以外にもまだまだありますが、有名どころはこんなところです。
課題曲の中から、自分の先生と相談して、よりその子が美しく見える、
美しく踊れる得意なものを選んで、優勝を目指します。
次号へ続く
プリンシパルデザイナーの大塚さまにコンクール情報を掲載頂きました。
元バレエダンサーならでわの目線で経験した貴重な記事だったのでこちらへ掲載します。
詳細は、11月、12月号のプリンシパルでもチェック可能(生徒限定)
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皆様お久しぶりです!
今回は、またスタジオからコンクールに挑戦する子が出るという事で、
コンクールについて特集させていただきます。
以前も一度取り上げた事がありますが、今回はまた違った視点でお送りしていきます。
◆なんでバレエはオリンピックの種目にならないの?
コンクールの前に、混同されがちなクラシックバレエとフィギュアスケートの違いを見てみましょう。
バレエは、フィギュアスケートなどと違いスポーツという分野ではなく、芸術という分野として種類分けされています。
フィギュアスケートには、この構成でこのジャンプをこのような形で成功させると何点、というように、
ある程度の基準を設けて、演技の善し悪しを明確化しています。
けれど、クラシックバレエは「芸術」であり、「競い合う物ではない」というのが大前提としてあるため、
基本的にはそもそも点数をつけるものではない、というのが世間的な認識です。
「スポーツ」であるか、「芸術」であるか、というのが大きな違いです。
フィギュアスケートはスケートの一種であり、フィギュアスケートの発祥は、氷の上にエッジで図形を描き、
その図形をどれだけ正確にトレースできるか、というのを競い合うスポーツでした。
それが発展して、今のフィギュアスケートの形となったのです。
けれど、バレエは発祥から競い合う物ではなく、イタリアの王宮から生まれたものですから、
「芸術」という分け方がされています。
◆バレエのコンクールは何のために行うの?
芸術であるバレエであえて優劣をつけるコンクールは、バレエ好きの人の中には否定的な人もいるでしょう。
あえて簡潔に告げるなら、
「その人がどれだけ踊れるか一目で分かる基準になるから」
というのが、一番簡潔で分かりやすい答えだと思います。
ダンサーの登竜門であるローザンヌで金賞を取れば、箔がつく。
箔がつけば、そのダンサーを見たいと思うお客様は増えるし、多くのライバル達に勝ち抜いた精神力、実力も兼ね備えている、
とバレエ団の偉い人は考えます。
芸術の世界はよくも悪くも「実力主義」です。
その実力を分かりやすく示すためのコンクールだとも言えます。
もっと身近な例えだと、進学や就職の際に誰にでも分かりやすく
「バレエに打ち込んできて、●●というコンクールで優勝したこともあります」
と履歴書や内申書に書ける。という感じです。
◆どんな人がコンクールに出ているの?
前述で、履歴書や内申書に書ける、という書き方をしましたが、
コンクールに出るということは、それなりの覚悟を決めなければなりません。
親御さんでしたら、たくさんの時間とお金。
踊る本人だったら、厳しいレッスンと長い時間をバレエに割くための覚悟です。
そして、コンクールに出ている子というのは大多数が、真剣にバレエに打ち込み、
将来バレエの道に進む事を視野にいれている子です。
◆コンクールは生半可な気持ちでは出られない
怖い言い方をするようですが、コンクールに出るにはそれなりの覚悟が必要です。
コンクールに出る、と決めた場合、生活が一変します。今までと同じようにレッスンをしていただけでは、
コンクールへの参加費も衣装代も、全てを無駄遣いしているようなものです。
コンクールへの出場が決まれば、
・レッスンは通常レッスンに加え、コンクールのための特別レッスンが必須。
受講しないという考えは無い。
・特別レッスンは通常レッスンとは別料金。
先生がその子1人のためだけのレッスンをしてくれるからです。言うなれば、全てオーダーメイドでのレッスンということです。・コンクールが遠方になれば、会場までの先生の交通費や宿泊費も出場者もしくは親御さんが支払う事になります。(お願いする立場なので、当然だとは思いますが)
◆コンクールはどんなことするの?
覚悟を決めて、コンクールに出よう!
でも、コンクールってどんなものを踊るの?どんな審査をするの?とっても気になりますよね。
おそらく全てのコンクールでは「課題曲」が決められており、
その課題曲の中から好きな曲を選んで踊ることになります。
【ポピュラーな課題曲(一部)】
・エスメラルダ ・ダイアナとアクティオン ・キトリ3幕 ・オーロラ1幕、3幕 ・海賊2幕メドーラ
これ以外にもまだまだありますが、有名どころはこんなところです。
課題曲の中から、自分の先生と相談して、よりその子が美しく見える、
美しく踊れる得意なものを選んで、優勝を目指します。
次号へ続く